2022/10/25 09:51

編集部の活動記録でもありますが、個人的にも刺激になる活動でした。

サポーターでもあり、TEtoTEの運営ベンバー仲間でもあるnomichiさんと

大阪・北加賀屋で開催された「北加賀屋2022AUTUMN アジアブックマーケット」へ。
北加賀屋2022オータムアジアブックマーケット
初めて降りる北加賀屋の駅。
奈良市民になってから28年、大阪へはめっっっっっっったに出向かなくなっています。

北加賀屋は地下鉄四つ橋線・住之江公園のひとつ手前の駅で、海の近くでした。
マンションもあれば、商業ゾーンもあれば、倉庫もある。混沌とした街なみ。
会場の名前が素敵です。「名村造船所跡地」。

いかにもかつて繁栄していた名残をとどめる大きくて古錆びた建物に、
新鮮なコントラストを放つタペストリー。
名村造船所跡地
この1階から3階までが会場です。コロナが一時よりも収まり、人出も賑やか。
1階はカレーやビールなどの飲食ブース。2階はおしゃれな手仕事ブースとライブ会場。そして3階にはずらりと本のブースが並んでいました。

書店だけのマーケットではなくて、雑貨や飲食がいっしょにあるからこそ、楽しいのですよね。
造船所跡地とあって、なかなかの規模。雑貨と飲食を楽しんだら肝心の書店を回る頃には結構疲れるくらいの広さでした。疲れるけど楽しかった。

TEtoTEのような小さなマルシェをやる身にとっても、勉強になるところはたくさんありました。
ほとんどの出店で、お揃いの什器が並びます。組み立て式で、便利そうで、美しい。
お揃いのブース枠
中でも、このお店には惹かれましたー。アルミウエアのお店なんですけど、雑貨もおしゃれにディスプレーされています。昭和のかおり、アルミウエア。
アルミウエア店舗

アルミウエア1

アルミウエア2

あれこれ欲しくなりましたが、モノを減らしたいので、がまんの末、洗濯バサミを買いました。
子供の頃、おばあちゃんが洗濯物を干していたのは、アルミの洗濯バサミでした。
今はプラスチックが多いですが、紫外線でポロポロ劣化しますよね。
これからはアルミです。なつかしく、可愛く、プラごみにならず、軽く、しっかり挟めます。

奈良からも出店している方があり、こぎん刺しを現代風にアレンジして雑貨をお作りになる作家さんとお友達になりました。

こぎん刺し1

こぎん刺し2

 
こぎん刺しとは、初めて聞いた言葉ですが東北の刺子は知っています。
こぎん刺しは青森県津軽に伝わる刺子の技術のひとつだそうです。
わたしは、うっすらとした知識しかなく、布をリペアして服を長く着るための技術ではないかと思っていましたが、もっと切実な理由がありました。

中川政七商店様のサイトから、説明をお借りします。 

本州の最北に位置する津軽は、綿の栽培に適さず、藩では麻の栽培を奨励した。さらに、農民は木綿や高価な色染めの着物を着ることを禁じられたため、彼らは麻布を藍染したものしか身につけられなくなった。しかし、目の粗い麻生地は津軽地方の厳しい冬を過ごすのには向いていない。

そこで農民たちが、温かい空気が少しでも服にこもるようにと麻布に刺し子を施しはじめた。麻の布は繊細で、作業着などに使うとすぐに擦り切れてしまうため、それを繕う意味もあったという。


 必要に迫られて作る美しいもの。そんな背景を大切にしながら、北欧風とも感じられる現代的なセンスでおしゃれな雑貨に変えてしまうdeerplusさん。民俗博物館からそのまま出してきただけでは、やはり、現代ではどうしても使えません。大切にしたい伝統は、本質を変えることなく現代風に進化してこそ、残っていくのだと思います。感動した思い出としてわたしもブローチを買いました。(写真の中では、丸いトレーの上に並んでいます)

 
おなかがすいたら、飲食ブースでタイカレーとチャイ。
もうひと頑張りしようと3階へ。 


書店コーナーには、かつてさとびで連載してくださったルチャリブロの青木さんの本が並ぶ、夕書房さんもいらっしゃいましたのでご挨拶してきました。(それなのに、購入を見合わせましたこと、ごめんない!)
青木さんの連載はこちら
satobi35-24-25


 
書店や出版って、今の時代、志がなければできる事業ではないと思います。
さとびも全く収益にはならず、本業があるおかげで継続できていますし。
だからこそ、愛おしいー。出版する人のモチベーションが少しわかるー。

帰りのカバンが重くなるから本はやめておこうと思いながらも、少し、買ってしまいました。

マルシェの魔力?

3階で感動したのは、京都の印刷会社さん。紙の量り売りをしてくれました。どんな紙でも100g100円。
高級そうな、やわらかな手触りの、感じのいい紙。印刷の端切れです。本来なら捨てられるもの。
それをこうして量り売りしていただけて、嬉しくて。(紙の下針売りは『紙博』で見かけてから気にはなっていたのですけど、買うの初めて)。

とても感じがいいので、大切は人へのメッセージカードに使おうと思います。楽しみ。

現地集合したnomichiさんとは帰りの電車はご一緒できまして、TEtoTEの相談などもできて、
有意義な1日になりました。

モノはいらない。もう足りています。でも、モノにこめられた形のないものを味わいながら手に入れるのはとても楽しい。「買う」だけが目的でないお買い物。TEtoTEでも、そうありたいと思います。


次のTEtoTEは来年2月12日。森のねんど研究所を会場に行います。
本年は喫茶と雑貨アンジュールさんで、コロナを気遣いながら「小さなTEtoTE」 として開催し、
みんなで楽しい1日を過ごしました。
来年も、小さいことに変わりはないですが、「会ってみたいな作り手さんに。話してみたいな使い手さんと」のコンセプトを大切にして、行列のできないマルシェをモットーに開催しますので、興味を持っていただけましたら嬉しいです。

さとびこ編集室も出店しますし、阿南セイコがプロでユースのほうで雑用をしております。


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