2022/12/06 17:38

12月になったばかりの頃、さとびがお世話になっております
都祁の自然食品やまめのんきさんが運営されている「大和高原ひのでマーケット」へ行ってきました。

ここで、ひのでマーケットをご存知ない方のために、ご紹介しますと。。。(過去の記事と重複するところがあるかもしれませんが、初めてご訪問いただいた方のために書きますね)


まず、まめのんきさんこと、田村ゆきさんとの出会いに遡ります。まだわたしはさとびの発行人をしていなくて、前身となる編集部の編集委員でした。編集活動をしていくなかで、地域おこし協力隊という制度ができたばかりのころ、「若者が住民票を移してまであたらしい取り組みに身を投じようとしているのに、地域としてあたたかく受け入れられるような方向で何かできないか。実際の地域おこし協力隊の人たちを訪ねて、知っていただくのはどうだろうか」というふうに考えまして、編集会議で承認をえて、取材活動をしていました。

vol.19特集扉

当時の特集の扉(なつかしい。この特集で紹介した人たちの中では、今も地域で大活躍の人たちがいます)

その中に、奈良市の都祁地区にやってきた田村ゆきさんがいたのです。


vol.19ゆきさんの記事
ゆきさんを紹介した記事 



聡明そうで、控えめな印象でした。「わたしにできることが、やっと見つかりそう」と語っていました。今もそれは変わりませんが、予想以上の熱意や行動力のある人だったんです。地域おこし協力隊は、都市部の若者が人口が減少する地域への移住を促進する国の制度ですが、実際には任期が終わると地域を離れる人も多く、特に制度が始まってばかりの頃は定着が課題になっていました。

日のでマーケットのサポートは、すでにこの頃から始まっていたんですね。当地区の農産物等を扱うマーケットイベント活動が日のでマーケット。数年前からは地区内に実店舗ができています(ここも、古いおうちを改修しながらぼちぼちオープンされた店。わたしも開店のときから立ち寄っています)。わたしたちが訪ねたのは、この店舗。ゆきさんと地元でどぶろくづくりやゲストハウスを運営されている吉井さんが中心になって運営されています。


ゆきさんは、任期後も地域に留まり、とけこみ、しゅくしゅくとアイデアを形にしていってました。都祁の自然栽培農家、羽間農園さんのお米で、地元の酒蔵「倉本酒造」さんに製造をお願いして贅沢なことに日本酒を作ってしまったり(このあたりのことは、vol.44特集「地酒で味わう奈良2」の中で倉本さんをとりあげ、ゆきさんご自身に執筆していただいてますので機会がありましたら是非是非読んでみてください!)。
時にはせっかく借りた古民家を出ていかなくてはいけなくなったり、次に借りた古民家が火事になってしまったり、本当に大変だったのに、いつもしゅくしゅくと受け止めて、嘆いたりわめいたりしないのです。風のように、抵抗感の少ない受け止め方に、わたしは正直驚きました。わたしだったら、こんなふうにできるかしら。できないのではないかしら。

気になるものですから、お会いする機会を作り、つながりを大切にしてきました。そんな中で、さとびのお取り扱い店になると言ってくださり、TEtoTEマルシェにも出てくださり、今ではさともだちです(さともだち=さとびつながりのともだち笑)。

会話がはずむようになってから知ったことですが、ゆきさんは、古民家を片づけるのが大好きなんだそうです。

だからいつも、しゅくしゅくと古民家のかたづけをしてきたのかなあ。今も、とある古民家のかたづけをしています。都会のお住まいの家主さんから信頼され、まかされているようです。




さて、話はやっと当日のことに戻ってきます。

この日は、「ひので くるくるリサイクルマーケット」の開催日。
このリサイクルマーケットは、先ほど書いた(管理をまかされている)古民家のためのチャリティー企画となっていました。 
ひので1

ひので屋外


片付け中に出てきた古いものや、吉井さん提供の品物が並んでいました。ちょっとわくわくです。
普通に購入したら、けっこうな値段のするザルとか。お盆とか。どうしても植物素材のものに目がいきます。いくつか選んだら、こちらの箱へ代金とカンパを入れました(で、よかったのかしら)。

ひので3
同時開催のワークショップや、コーヒー、軽食も楽しい!!
このレート感が嬉しくてたまりません。コーヒーと、ゆかりちゃんのサーターアンダギーを注文しました。

ひので2
ひきたてコーヒーが100円ですよ。
ほんとうに、いいのでしょうか。どうかいつまでもこのプライスが続いてほしい。

くるくるリサイクルマーケットの看板にあった「あかねちゃんのワークショップ」のあかねちゃんは、アート作家さんであり、二人の幼いお子さんのいるママさんです。部員さんが、だっこしたくてしかたがない。

ひので5
子育てとは、非常にエネルギーのいる尊いしごと。
あかねちゃんも、今しばらくは創作活動を控えめにされています。それでいいと思うんです。なによりも大切な、神様からさずかったしごとを今は優先してください。

農山村地域では、都市部のように「おでかけ」するところは少ないものです。まして幼い子どもといっしょに安心して出かけられるところとなると、なおさらです。
あかねちゃんは、この「日のでマーケット」の存在に心が救われているのだと思いました。

「ここがあるから、どんなに助かっているか」

と一言。子育て中の人が子供さんといっしょに立ち寄ることができ、くつをぬいで上がれるスペースがあり、ゆきちゃんの小学生のお嬢さんもいつもここにいて、こども同士の交流も生まれています。
お金がたくさんかかるわけでなく、必要な自然な食品や品物が手に入り、子供づれでも安心してたちよることができ、いごこちよく交流できる場所。
ひので-くつを脱げる場所
写真に写るおじさんは、編集部員(編集長の運転手担当) さんです。見てほしいのは、その奥の床スペース!

ゆきさんがやりたかったことが、実現していますね。ぼちぼち改修しながら開店した店は、行くたびに進化して、新しい壁ができたり床ができたりしています。今後はさらに改修を重ねて、どんどん美しくなっていくようです。資金も不思議に調達できてしまうところがすごい。。

さらにびっくり、ゆきさんはこの店舗への執着もしていなくて、将来は受け継ぎたい人があれば使ってくれてもいいと考えているそうです。

地域づくりする人とは、ゆきさんのような人のことを指すのかなと思います。

そんな場所にさとびを置いてくださり、編集室として、とても嬉しいです。
ひので4

さとびと関係のない余談

サッカー日本代表、クロアチアに負けましたが、わたしの中ではドイツとスペインに勝ってくれただけで感謝したいです。力をもらいました。

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