2023/04/14 05:51

100年住み続けたい奈良のための地域づくりマガジンさとびごころの、今回の主人公は、奈良県吉野郡上北山村にある民宿100年の女将小谷雅美さん。
上北山村は面積は奈良県で2番目に大きいのですが
人口でいうと2番目に小さい村です。

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文章を、小谷雅美さん(民宿100年女将・モスモメンバー)ご本人にお願いしました。
「ぜひやってみたい」とおっしゃってくださって。なんて嬉しい一言!
(説得しなくてもいい笑)
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民宿100年とは、平成元年から約30年続いた民宿を前身としています。名前もそのままに、地域おこし協力隊としての任務を終えた小谷さんが引き継ぐことになった経緯とは?というところから記事が始まります。



大切にされてきた民宿を、わたしも大切に使わせてもらいたい。



小谷さんは、そう思いました。大切に使うとは?小谷さんは、なるべく元の建物を生かしたリノベーションを選びました。
ですから、もうほんと、建具のひとつをとっても昭和世代のわたしでさえ幼い頃にしか見なかったような懐かしいものがたくさん、現役で生かされているんです。



それでいて、若い女性から見て「かわいい」と思える設えがあり、古き良きものと、現代的なセンスが調和しています。今再び、民宿100年はかつてのように旅人に愛されるゲストハウスになっています。
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一度は空き家となった民宿は、手入れをしないと使えない状態。そこに「大切にされてきた記憶」が残されているさまを肌で感じることができる小谷さんだったからこそ、「なるべく残したい」と思えたのではないかなあと。建築物として価値があるかどうかといった目線とはまた違って、肌感覚です。
この思いがモスモの活動にも現れています。

モスモとは、空き家を活用した活動です。
民宿100年の拡張と言えるかもしれません。

自らも住民の一人となり、空き家はあるのに静かに朽ちていく現実と村のみなさんの本音に触れたとき、小谷さんが感じたものとは…。
それがモスモの活動へとつながっていきます。


 県外から嫁いできたことで村外と村内からの目線で村を見つめてきた久米恭子さんは、小谷さんといっしょに起業されたモスモの代表。「恭子さんがいてくれたからできている」と、小谷さんはしみじみ語っていました。紙面では、このモスモが本格化していく様子を綴ってくださっています。

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今回の特集は、上北山村を舞台にご紹介しました。
わたしたちは取材で奈良県の南部へ 行くことが多く、そこでいつも感じてきた「小さいからこその美しさ」を、実際に訪れて感じてほしい、そして家に帰ったときに、出会った場所のことを大切に思うと同時に、街の中にある足元の自然のこともまた、かけがえないものと感じてもらえたらと企画しました。そして取材を終えてやっぱり思うのは、通りすがりの観光客としてだけでなく、村を思う一人に(たとえ微かにでも)加わることが、より旅を楽しく豊かな気持ちにしてくれるなあということでした。上北山村でしたら、民宿100年やモスモがそのきっかけになってくれるでしょう。





編集部と民宿100年の初めての出会いは、コロナ禍の頃。編集部あなんが100年という名の民宿があることを知り、100年つながりのご縁を感じて訪ねてみると、さとびを作っている動機の部分を理解していだだけて、嬉しくなって後日お泊まりもしました。

こういうのって旅の楽しみですよね。あの人に会いにまた行こうかなって。



編集部と小谷さんとでいっしょに作った特集、読んでいただけたら嬉しいです。




民宿100年 https://www.minsyuku100nen.com
mossumo(モスモ) https://www.mossumo.com



追記 あなんの個人的な「推し」
フォレストかみきた。道の駅に隣接しているので、初めて上北山村へ行かれる方でも迷わず確実にいける場所。日帰り温泉をぜひ体験してください。薬湯と呼ばれるだけあって、お湯の気持ちよさが違います。わたしたちは、フォレストかみきたがオープンする以前からの薬湯ファンでした。ある日、潰れちゃうの?と心配したのですが、こちらで都会的で洗練された設えとなって復活して安心したものです。
ゆったり空いている時期を目指すのがオススメ。澄んだ川の水も眺められます。ランチも良いいですよ!