2023/05/06 18:06
4月に2回ほど、森歩きイベントに参加してきました。
ひとつは、森林に興味関心が高く、主に何らかのプロである人たちが対象。
もうひとつは、若者や一般の方たちが対象でした。
どちらも、講師はさとびでおなじみの久住一友さん。
Forester chicks のための林業学校 2022-2023 現地講習より 久住くんの奥にいるのはコーディネーターの吉水純子さん(そう、53号まで連載をしていただいた吉水さんです)
Forester chicks のための林業学校 2022-2023 現地講習より 久住くんの右にいるのはコーディネーターの佐藤浩行さん(そう、さとびでもおなじみの佐藤さんです)
わたしは普段は久住くんと呼んでいますので、以下久住くんと書くほうが書きやすいものですから、そうしたいと思います(^^)
久住くんとは、谷林業株式会社に就職するために奈良に移住したころから交流が始まりました。
谷林業に近い場所にあるカフェで、森を学ぼうという趣旨のトークイベントがあり、当時谷林業の社員だった久住くんが林業に就いた理由や、架線集材についてわかりやすく説明してくれていました。
そのとき聞いた、(さとび読者さんであれば、今ではみなさんも読まれていると思いますが) 家の近くの公園の木が切られたことがショックだったからというエピソードに、わたしのアンテナが立ったのです。経験的に勝手なルールがありまして、「昆虫少年はスジがある」というもの。久住くんは昆虫が大好きだったために、昆虫がたくさん集まってくる大好きな木がなぜ切られてしまうのか?憤りを感じたのでした。実際には理由があっての伐採なのですが、その時の悲しみと憤りは今の久住くんの核の中にあると思いました。
切り株の下からカブトムシの幼虫が。こんなにおっきいんですね!
ゆるゆる歩くだけなのに、楽しい。
草原から奥山へ、植物の遷移について話す久住くん。植物は苔の仲間から草へ変わり、やがて日光の好きな木(陽樹)が育ち、その下から日陰の好きな木(陰樹)が生まれ、ついには陽樹と入れ替わります。
成長したイタドリ。春先の雑草キッチンセミナーで若芽の段階のイタドリを学んだので、成長した姿を見るのも面白かった。森歩きしながら「おいしそう!」を連発するわたしでした。森の中のゆるやかな日陰では、葉のやわらかい雑草が育ちます。食材としは、これが美味しいのです。
久住くんが上牧町で管理しているのは「宝蔵院流高田派槍術第二十二代流派代表」からの依頼で、槍になる木を育てる森。奈良は宝蔵院流の伝承地のひとつです。
わたしは普段は久住くんと呼んでいますので、以下久住くんと書くほうが書きやすいものですから、そうしたいと思います(^^)
久住くんとは、谷林業株式会社に就職するために奈良に移住したころから交流が始まりました。
谷林業に近い場所にあるカフェで、森を学ぼうという趣旨のトークイベントがあり、当時谷林業の社員だった久住くんが林業に就いた理由や、架線集材についてわかりやすく説明してくれていました。
そのとき聞いた、(さとび読者さんであれば、今ではみなさんも読まれていると思いますが) 家の近くの公園の木が切られたことがショックだったからというエピソードに、わたしのアンテナが立ったのです。経験的に勝手なルールがありまして、「昆虫少年はスジがある」というもの。久住くんは昆虫が大好きだったために、昆虫がたくさん集まってくる大好きな木がなぜ切られてしまうのか?憤りを感じたのでした。実際には理由があっての伐採なのですが、その時の悲しみと憤りは今の久住くんの核の中にあると思いました。
男の子は大なり小なり昆虫をとって遊んだ経験が(ある年代までなら)あると思うんですけど、とりわけ大好きだった人たちは将来、生態系を大事にするようになるのです。さとび関係でいうと、プロジェクト粟の三浦雅之さん、フォレスターアカデミー校長の藤平さん(さとびサポーターをしていただいてます。ありがとうございます)、久住くんもそう。
そのエピソードを聞いてからの後日、里山関係のイベントで参加者どうしとして遭遇したとき、わたしはもう「さとびで連載を書きませんか」と声をかけていました。久住くんは谷林業のSNSも担当していて、魅力のある文章を書く人だなあという肌感覚はありましたので、連載してもらったら「昆虫少年が林業を目指したのはなぜか」のところを伝えてもらえると思いました。それは、今の近自然森づくりにつながっています。久住くんにはその後も、折にふれて寄稿していただいてますので、まだお読みでない方はぜひ。
vol.47 特集 いつまでも豊な森(ちなみに佐藤さん、藤平さんにもご寄稿いただきました)
vol.52 特集 森を選んだ生き方その後
vol.47 特集 いつまでも豊な森(ちなみに佐藤さん、藤平さんにもご寄稿いただきました)
vol.52 特集 森を選んだ生き方その後
久住くんの連載(旧さとびごころvol.22からvol.25)は、別途パンフレットに印刷しましたので彼の自己紹介パンフレットがわりに広がったことと思います(ということは、わたくし、奈良での久住くんのデビューには陰ながら貢献している?と勝手に自負しております)。
2つの森歩きイベントでは、どちらも久住くんが管理をしている里山が現場でした。アスファルトの道から歩いて入っていくことができる位置にあり、人の手が加わったゆるやかな道が通っていて、スニーカーでも楽に歩くことができます。森林というのは、たとえ里山でも、道が通っていなければ町の住人が歩くには辛く、危ない場所です。林業のための作業道や、昔の人が使った里道(りどう)が通っているから歩けるのです。大きな蜂や蛇がどこにいるか、わかりますか?もし出会ってしまったらどうしたらいいか知っていますか?久住くんは知っています。それらも教えてもらい、わたしたちの安全や楽しさに配慮しながら案内してくれるんですよね。
2つの森歩きイベントでは、どちらも久住くんが管理をしている里山が現場でした。アスファルトの道から歩いて入っていくことができる位置にあり、人の手が加わったゆるやかな道が通っていて、スニーカーでも楽に歩くことができます。森林というのは、たとえ里山でも、道が通っていなければ町の住人が歩くには辛く、危ない場所です。林業のための作業道や、昔の人が使った里道(りどう)が通っているから歩けるのです。大きな蜂や蛇がどこにいるか、わかりますか?もし出会ってしまったらどうしたらいいか知っていますか?久住くんは知っています。それらも教えてもらい、わたしたちの安全や楽しさに配慮しながら案内してくれるんですよね。
そしてそれらの道は、ふだんは私有地の中にあり、誰でも入っていけるところではありません。その地域の人や、そこで仕事する人のための道なので、国定公園などにある観光向けに整備された遊歩道とは違うのです。
そんな特別な道、そして美しい森の中の道を、久住くんの森案内を聞きながら歩くんです。
ここにこの木があるのはなぜか。この道があるのはなぜか。
この木を切った理由は何か。この木はどんな性格をしているのか。
この木を切った理由は何か。この木はどんな性格をしているのか。
この森を管理するようになった経緯は何か。
初夏の新緑に包まれながら、「へーーーーっ。そうなんだーーーー!」の連続を味わいながら。
2つ目のイベントでは、伐採の実演もしてもらえました。
当然ながら「切る必要のある木」がモデルです。すでに枯死していて、伐採する必要のある木でした。参加者のほとんどは、伐採現場を見るのは初めてでしたので、離れておかないと危ないことを教えられ、木が倒れておいくスローモーションのような様を見届け、切り株に触ったり匂いを嗅いだり、特別な経験となりました。
当然ながら「切る必要のある木」がモデルです。すでに枯死していて、伐採する必要のある木でした。参加者のほとんどは、伐採現場を見るのは初めてでしたので、離れておかないと危ないことを教えられ、木が倒れておいくスローモーションのような様を見届け、切り株に触ったり匂いを嗅いだり、特別な経験となりました。
切り株の下からカブトムシの幼虫が。こんなにおっきいんですね!
ゆるゆる歩くだけなのに、楽しい。
草原から奥山へ、植物の遷移について話す久住くん。植物は苔の仲間から草へ変わり、やがて日光の好きな木(陽樹)が育ち、その下から日陰の好きな木(陰樹)が生まれ、ついには陽樹と入れ替わります。
成長したイタドリ。春先の雑草キッチンセミナーで若芽の段階のイタドリを学んだので、成長した姿を見るのも面白かった。森歩きしながら「おいしそう!」を連発するわたしでした。森の中のゆるやかな日陰では、葉のやわらかい雑草が育ちます。食材としは、これが美味しいのです。
久住くんが上牧町で管理しているのは「宝蔵院流高田派槍術第二十二代流派代表」からの依頼で、槍になる木を育てる森。奈良は宝蔵院流の伝承地のひとつです。
最後には、スイーツとお茶があったり、またお弁当を食べたりもあります。これが重要!これが楽しい!多少の疲れを癒しながら、参加者でゆるりとおしゃべりを交わすひととき。いわゆるシェアの時間といいますか。。。イベントのエピローグ。その一日の体験が思い出に落とし込まれていきます。
こんな森歩きをわたしはずっとずっとしてみたかった。
そもそも奈良型作業道の取材をした2016年ごろからずっと、「こんなに素敵な道を、ただ歩くためだけのイベントをしてみたい」としょっちゅう口にしていました。いや、実際には「したらいいやん。してほしいなあ」などと、人様に依存する言い方でございました。まだまだ、さとびで主催するようなパワーがなかったのです。もしかして、今だったら何人か声をかけたら実現できるかもしれませんね。
そもそも奈良型作業道の取材をした2016年ごろからずっと、「こんなに素敵な道を、ただ歩くためだけのイベントをしてみたい」としょっちゅう口にしていました。いや、実際には「したらいいやん。してほしいなあ」などと、人様に依存する言い方でございました。まだまだ、さとびで主催するようなパワーがなかったのです。もしかして、今だったら何人か声をかけたら実現できるかもしれませんね。
さとびこの森歩きも、いつかできたらいいなあと思います。
(その時は、ぜひとも久住くんにお願いしたいと思います)
(その時は、ぜひとも久住くんにお願いしたいと思います)
久住くんの森あるきに参加した人は、みんな満足そうで、楽しそうでした。もしかしたら、この人は、森林管理の仕事よりもこっちが忙しくなってしまったらどうしよう!といらぬ心配をしてしまいそうになります(笑)。でも、これもひとつの「森の仕事」なのです。木を切るだけが仕事ではなく、森林が豊かに健康に維持されていくことによって、森で働く人にとっても、林産物を購入する人にとっても、環境(それは人や社会に益すること)にとっても、調和のとれたいい結果を生み出していくために、多くの人に森を好きになってもらうことも大切な仕事と言えます。
フォレスターとは、森と人をつなぎ、森も豊かに人も豊かにしていくプロフェッショナル。
久住くんはそれを体現する人になりつつあります(もうなってるかも)。
森あるきその1
森に学ぶ Learn from the forest
~ Forester chicks のための林業学校 2022-2023 ~ 現地講習
開催場所=大淀町、明日香村など
開催場所=大淀町、明日香村など
主催=森に学ぶ講座実行員会 からす組(
)森あるきその2
<木を伐るを観る ~森ある暮らしのお話~>
開催場所=王寺町、上牧町
主催=
主催=
**************************************************************************
ご訪問ありがとうございました。100年住み続けたい奈良のための地域づくりマガジン編集部からのお知らせや関連する雑談を投稿しています。
さとびごころ(編集:さとびこ編集室 発行:オフィスエルインク)
https://satobigokoro.org/
さとびをお読みになった方からの、はげましや感想をいただきますと編集部が元気になります。お待ちしています。
さとび読者の方、さとびマインドな事業をされている方へ。あなたの「さとび」を作りませんか。
ご訪問ありがとうございました。100年住み続けたい奈良のための地域づくりマガジン編集部からのお知らせや関連する雑談を投稿しています。
さとびごころ(編集:さとびこ編集室 発行:オフィスエルインク)
https://satobigokoro.org/
さとびをお読みになった方からの、はげましや感想をいただきますと編集部が元気になります。お待ちしています。
さとび読者の方、さとびマインドな事業をされている方へ。あなたの「さとび」を作りませんか。
企画立案のサポートから文案作成支援、リライト相談、編集デザイン、印刷仕上げやウェブ用のコンテンツづくり、ワンストップでさとびこ編集室がお手伝いいたします。ご相談ください。